VOCの対策技術
VOC(Volatile Organic Compounds:PCE・TCE・ベンゼンなど揮発性有機化合物)は、以下の特徴が挙げられます。
- 汚染は移動しやすく、大規模な地下水汚染を生じやすい
- 汚染源を除去しない限り、地下水汚染はなくなりにくい
- 分解が可能である
- 汚染の多くは人為的なものである
これらに対する対策技術としては、重金属類のような管理対策が行われる例は少なく、ほとんどが土壌ガス吸引、 揚水処理、エアスパーシングなどの分離による浄化技術、あるいは低温加熱、酸化分離(酸化剤)、還元分解(鉄粉など)、 バイオレメディエーションなどの分解による浄化技術が行われています。
鉄粉法による分解浄化
トリクロロエチレン(TCE)などの有機塩素化合物は、鉄粉との反応により分解されます。 土壌浄化用鉄粉は汚染源そのものを直接浄化します。
土壌浄化用鉄粉
あるサイトでの浄化例
ここが違う!DOWAエコシステムグループの土壌浄化用鉄粉
電子顕微鏡写真
- DOWAエコシステムグループが独自に開発し、改良を重ねた土壌浄化用鉄粉です。
- 多孔質で比表面積が2~4m2/gと大きく、反応性に富んでいます。
- 一般の鉄では分解困難な、cis-1,2-ジクロロエチレン(c-DCE)やジクロロメタンといった物質でも分解可能です。
- 土壌への混合量が僅かですみます。
浄化法の比較
| 浄化法 | 高濃度汚染 | 低濃度汚染 |
|---|---|---|
| DOWAの鉄分解 | ○ | ○ |
| 一般の鉄分解 | × | ○ |
| バイオレメディエーション | × | ○ |
| 酸化分解 | ○ | ○ |
| 熱処理 | ○ | ○ |
| 浄化法 | PCE | TCE | c-DCE | MC | DCM |
|---|---|---|---|---|---|
| DOWAの鉄分解 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 一般の鉄分解 | ○ | ○ | × | ○ | × |
| バイオレメディエーション | ○ | ○ | △ | × | × |
| 酸化分解 | ○ | ○ | ○ | × | × |
| 熱処理 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
バイオレメディエーションによる浄化
原位置バイオレメディエーションに使われる薬剤は種々ありますが、実施工上の問題点として、(1)薬剤調製・注入時の取扱が困難、(2)薬剤コストが高い、などがありました。
DOWAは、この課題をクリアし、今までと同等の性能でありながら、使い勝手の良い、低価格の薬剤「バイオエンゼル」を開発しました。
1:高い施工性
(1)高溶解度
溶解性が高く、薬剤調製が容易です。
- 高濃度調製・・・バイオバリアなどへの適用が可能
- 低濃度調製・・・汚染拡散域への適用が可能
(2)低粘性
- 水と同等の粘度で調製・注入が容易
- 定期的な薬剤供給(繰り返し注入)が必要な場合に効果を発揮
2:高い分解性能
最短2ヶ月の浄化実績があります。
3:安全しかも低価格(森永乳業と共同開発)
食品製造工程の副産物を利用することにより、コストパフォーマンスの高い薬剤の供給を実現。
- 性状
- 乳白色の粉末
- 水溶性
- 溶解度:100g/L
- 溶解時pH:6(5%濃度溶液)
- かさ比重:0.7g/立方センチ
- 水溶液の粘度:1mPa・s(5%濃度溶液)
- 荷姿
- 15kg入りのクラフト袋(内袋ポリエチレン)
- 使用方法
- 重量比100~300倍の水に溶かして注入する
VOC浄化効果
施工実績:サイト-A(国内実施事例[地下水温度15度])
![施工実績:サイト-A(国内実施事例[地下水温度15度])](img/p_po_VOC_bio_02.gif)
TCEとcis-1,2-DCEによる地下水汚染に対し、2回の薬剤注入で浄化が完了しました(約5ヶ月)。
- 地下水基準
- TCE:0.03mg/L
- cis-1,2-DCE:0.04mg/L
施工実績:サイト-B(海外実施事例[地下水温度25度] ※台湾)
![施工実績:サイト-B(海外実施事例[地下水温度25度] ※台湾)](img/p_po_VOC_bio_03.gif)
海外(3ヶ国)へ輸出・施工実績があります。
この事例では、地下水温度の影響が大きかったため、VOCの分解速度が早く、短期間で浄化することが出来ました。
- 地下水基準
- PCE:0.05mg/L
- TCE:0.05mg/L
- cis-1,2-DCE:0.7mg/L
他社製品との比較

同じ添加率で他の製品と同等以上の効果があり、低価格のためコストパフォーマンスが高い。
他工法との組み合わせ
DOWAでは、VOC汚染浄化にバイオレメディエーションが適していないケースでも、他の工法をご提案出来ます。
■高濃度汚染の場合
- DIM工法(原位置鉄粉混合)※特許登録済
- 汚染土壌を掘り下げることなく、地中で土壌浄化用鉄粉を混合し、VOCを浄化する工法。

■微生物が活性化しにくい場合
■油との複合汚染の場合
- マイクロバブル・オゾン注入工法 ※特許出願中
- オゾンガスを直径1~数十μmの微細な気泡(マイクロバブル)として混合・溶解させた特殊な水溶液を地中に注入し、分解・浄化する工法。

■汚染源対策が実施できない状況で拡散防止対策が望まれる場合
- PRB工法(透過反応壁)
- 汚染領域の地下水流向下流側に鉄粉透過反応壁を設置し、反応壁を通過するVOCを分解・浄化する工法。


