油汚染の傾向と対策
油汚染に対する環境基準は、今のところベンゼンのみですが、有害な物質を多く含んでいる場合があります。 また、油は多種多様な用途で使用され、流通範囲も広いので、潜在的な汚染が多いと考えられます。
油は様々な用途に使われています。
油の種類によって、組成成分や挙動・分解性が異なります。
PAHsについて
油の成分としては、PAHs(多環芳香族炭化水素類)についても有害性が指摘されています。
- ナフタレン
- アントラセン
- ピレン
- ベンゾ(a)ピレン など
ベンゾ(a)ピレン
発ガン性、慢性毒性、催奇形性、繁殖毒性、変異原性などの毒性影響がある可能性が高いと言われています。
「油は水に浮く」という固定観念はないでしょうか?
油は多成分の混合物です、水に溶けて拡散する成分もあれば、土壌に吸着する成分もあります。 また、油は土壌環境中で分解され、その挙動はさらに異なります。
油はLNAPLを形成して・・・
- 地下水の流れによって拡散します。
- 油の成分によっては土壌に吸収します。
油は水に浮きますが・・・
- 可溶性の成分は地下水に溶けて拡散します。
- 分解(風化)して土壌に吸着します。
汚染源の対策(掘削除去・場外処理)
汚染の拡散原因となる高濃度部分を掘削除去し、洗浄処理または加熱処理などで浄化できます。
中温加熱処理
ロータリードライヤを用いて、汚染土壌をおよそ500℃で加熱して処理します。 処理後の土壌は再利用可能な浄化土壌として回収し、揮発成分を含む排ガスは850度で2秒以上の二次燃焼により無害化します。
東邦ガス株式会社空見環境センター殿 土壌熱処理設備
(弊社施工により平成16年に納入)
土壌洗浄処理
処理能力50,000t/月の土壌浄化施設(秋田県大館市)で処理します。 浄化処理は解砕、分級、破砕、泡沫浮上分離、排水処理の各工程からなり、汚染物質の濃縮・分離が可能です。 油については、微細な気泡の導入により疎水性物質を気泡表面に付着させて分離する技術が有効です。
泡沫浮上分離による油の回収
生物処理(バイオレメディエーション)
ランドファーミング
汚染土壌に生息する微生物が本来有している浄化能力を人為的に活性化して、汚染物質の分解を汚染物質の分解を促進させる浄化方法です。
汚染土壌に資材を加えて調製し、撹拌しながら酸素供給ならびに水分調整を行って浄化を行います。
浄化に伴うエネルギー消費量が少なく、かつ二次汚染(有害副生成物の蓄積)の心配が少ない環境修復技術です。
ランドファーミングによる浄化の実施例
拡散域の対策(原位置浄化)
原位置酸化分解
汚染範囲に酸化剤および反応剤を注入します。フェントン反応によりヒドロキシラジカル(・OH)が発生し、汚染物質を酸化して分解します。
効果の継続~効果を持続させるために遅延剤の添加や注入方法の最適化が必要になります。
注入井戸による薬剤の供給
多点注入による薬剤供給
浄化前の油分(TPHs)濃度
浄化後の油分(TPHs)濃度
原位置バイオレメディエーション
汚染範囲に栄養塩および電子受容体(酸素など)を注入して、土壌中に生息する微生物を活性化して汚染物質を分解させます。
土壌中の微生物を活性化して浄化
分解活性の高い微生物を添加して浄化
原位置バイオレメディエーションにおける平均油分濃度の推移

